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「酒」の章

純米大吟醸 新「山形讃香」

昨年9月頃、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」を見てたら、「コロナ禍の苦境に負けず、山形県が誇る最高峰の純米大吟醸を全国の皆様に届けたい!」というキャッチコピーが目に飛び込んだので、早速支援者の一人として参加した。

山形県の日本酒と言えば、亀の井酒造さんの「くどき上手」をよく嗜む。

行きつけの串揚げ料理屋「燦燦」のマスターから最初に勧められてから、この店ではほぼ毎回食事の友にしている。

以来、山形県のお酒は気になる存在になっている。

なので、クラウドファンディングで見つけた時は、悩むことなく支援者になりたいと思った。

そのクラウドファンディングの返礼品として、「純米大吟醸 新山形讃香」とGI山形認定の「純米吟醸 鯉川 R2BY」が送られてきた。

今回は山形の日本酒を語りたい。

CAMPFIREの支援サイトの画面
10,000円の支援コース(新山形讃香1本とGI山形の純米吟醸酒1本)

山形のお酒

山形県の日本酒の歴史は江戸時代から続くが、驚くことに40年前までは日本酒の産地としては無名だったそうだ。

それが今では「吟醸王国やまがた」と言われている。

その要因は、1980年頃から酒蔵、酒米農家、行政の皆さん協力して地域全体で日本酒のレベルアップを図ってきたからだという。

特に、山形県独自の酒米を開発してきたのは特筆すべきだ。

1994年に吟醸酒用の酒米「出羽燦々」を11年かけて開発した。

2005年には、純米酒用の酒米「出羽の里」が完成。

そして、2015年に大吟醸酒に適した酒米「雪女神」を開発した。

今回いただいた新しい「山形讃香(やまがたさんが)」には、この雪女神が使われている。

新「山形讃香」

純米大吟醸酒「山形讃香」は山形県が誇る統一ブランドである。

統一ブランドとは、厳しい品質審査に合格した山形県内の日本酒のみが、山形県の代表銘柄「山形讃香」として販売できるという仕組みである。

この山形讃香の酒米には、山形県が誇る「出羽燦々」が使われていた。

しかしながら、2021年の山形讃香のリニューアルにあたり、使用する酒米は「雪女神」に変更された。

それだけではない。

「新山形讃香」には、雪女神の中でも、優良酒米コンテストで上位に入った農家さんが栽培したお米を使用し、精米歩合35%まで磨かれた。

さらに、醸造は昨雪女神純米大吟醸酒求評会で1位だった秀鳳酒造場さんと米鶴酒造さんが、山形県工業技術センターからの助言を受けて、厳格な基準に沿って醸したとのこと。

まさに、今までにない最高級の純米大吟醸酒に仕上げられたと言うことだ。

以下に、返礼品に同封されていた吉村美栄子山形県知事のあいさつ文を紹介する。

-「山形讃香」は、日本酒の最高峰を目指し、県と県酒造組合が技術の粋を尽くして開発したオリジナルブランドの純米大吟醸酒です。

-「山形讃香」の原料は、豊かな自然が育む清らかな水に加え、山形県で開発した酒造好適米「雪女神」の中でもコンテストで選ばれた特に優良なものを厳選し、醸造は、その年に選ばれた優秀酒蔵のみが醸すことを許される、すべてが山形産の至極の一本です。

-古から「すぐれた酒を持つ国民は進んだ文化の持ち主である」と言われております。

-豊饒(ほうじょう)の地やまがたの自然と文化が創り出した逸品をご堪能いただければ幸いです。

こんな貴重なお酒、飲んでいいのだろうか?

吉村県知事のあいさつ文

「新山形讃香」と「鯉川」

山形讃香を前のバージョンと呑み比べすることができないので、今回は同包されてきた「鯉川」と呑み比べすることにした。

両者のスペックは次の通り。

まずは、「純米大吟醸 新山形讃香 生酒」。

原料米は、山形県産雪女神を100%使用。

精米歩合は35%。結構削ったね。

アルコール度は16度だ。

次に、「純米吟醸 鯉川 R2BY」。

原料米は、山形県産美山錦を100%使用。

精米歩合は50%。

アルコール度は15.3度だ。

あと、日本酒度が+5、酸度が1.4、アミノ酸度が1.0でやや辛口という感じだ。

左が「鯉川」、右が「新山形讃香」

いざ吞み比べ

まずは、「純米大吟醸 新山形讃香 生酒」から。

生酒なので、冷蔵庫で冷やしてあったのだが。

うわっ! 香りからしてフルーティー!

口当たりもソフトで芳醇な味わいが口いっぱいに広がる。

こりゃ、すいすい飲めちゃうね。

久しぶりに、こんなフルーティーな日本酒を飲んだ気がする。

これが「雪女神」の実力か?

サーモンのカルパッチョと一緒に味わいたいお酒だ。

次に、「純米吟醸 鯉川 R2BY」

「BY」というのは、「Brewery Year」の略で、酒造年度のこと。

例えば、「R2BY」というのは、令和2年7月1日から令和3年6月30日までに醸造された日本酒ということで、つまり一昨年醸されたお酒ということだ。

こちらも冷蔵庫で冷やして、冷酒でいただく。

純米吟醸だが香りはそんなに強くない。

口当たりは淡麗でやや辛口、心地よい酸味の余韻が残る。

私の好きな肉じゃがとか、少し濃いめの味付けの和食と相性抜群だろうな。

新山形讃香と鯉川の吞み比べ

締めの一杯

クラウドファンディングで出合った「新山形讃香」。

昨年10月にWEB開催された「オンライン日本酒フェア」で、山形県酒造組合の皆さんが期待を込めて紹介していたのが印象的だった。

まさに山形県が誇る純米大吟醸酒と言える。

やっと、出会えたね。

今宵は、「雪女神」と「新山形讃香」を生みだした「美酒県山形」に乾杯!

作成者: めんさん

広島県福山市在住の中小企業診断士。広島県中小企業診断協会正会員。カープを科学する研究会会員。知的資産経営研究会会員。
日本酒学講師(SSI認定)/唎酒師(SSI認定)/国際唎酒師(SSIインターナショナル認定)/焼酎唎酒師(SSI認定)。
日本酒好き、特に広島のお酒。
広島カープ、ユニコーン、名探偵コナンの大ファン。
趣味は飲み歩き。

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