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「酒」の章

酒都西条で「はしご酒」をたしなむ

5月5日、酒都西条を訪れた。

前回訪問したのが1か月前の4月9日、賀茂鶴酒造さんの蔵開きの日。

今更だが、現在西条には7つの酒蔵がある。

JR西条駅の観光案内所でもらえる「西条酒蔵通り まちあるきMAP」の掲載順で紹介すると、山陽鶴さん、白牡丹さん、西條鶴さん、賀茂鶴さん、亀齢さん、福美人さん、賀茂泉さんの7蔵だ。

GW真最中だが、そんなに人は多くない。

テレビのニュースで、コロナ禍にもかかわらず日本各地の観光地に大勢の人が訪れているのを見たが、それとは対照的にのんびりとした散策が楽しめた。

西条駅の観光案内所でもらえる酒蔵通りのマップ

今回の目的は、はしご酒をすること。

以前、「バカリズムの大人のたしなみズム」というBS日テレの番組にゲストとして歌手の島谷ひとみさんが登場した。

その回のテーマは「はしご酒のたしなみ」。

島谷さんは大の酒好きで、基本的に3軒ははしご酒をするそうだ。

私は普段はしご酒をすることはない。

でも、せっかくのGWだし、一度やってみたいと思い、西条へやってきた。

賀茂泉さんの酒泉館

1軒目「利き酒をたしなむ」

まずは、以前から気になっていた賀茂泉さんの「酒泉館」を訪問。

ここで、「賀茂泉飲み比べセット3種(約180ml)」をいただく。

このセットは、同じ純米吟醸酒で3種類の熟成年度の違うお酒を楽しむというもの。

700円で楽しむことができる。

今年できたばかりのフレッシュな「純米吟醸 生酒」。

1年半熟成した「純米吟醸 朱泉本仕込」。

2年半熟成した「純米吟醸 山吹色の酒」、の3種類。

他の蔵でも利き酒はできるが、同じお酒で熟成度が違うものを飲み比べできるのはここだけだろう。

今年の生酒と2年半熟成では、明らかに色が違うね。

2年半も熟成すると黄色がかってくる(写真でもわかる)。

味の違いはどうだろう。

一言で言えば、生酒は爽やか、1年半熟成はまろやか、2年半熟成はやや農醇な味わい。

この飲み比べは、個性の違いがはっきりわかる。

賀茂泉飲み比べセットをたしなむ

それぞれ個性があるので、料理によってこの3種類から選ぶのもありかも。

と思いながらまったり嗜んでいると、一人の男性が私の隣の席に着いた。

「そのお酒はどうですか?」とか「西条は初めてですか?」と話しかけてくる。

お酒について色々話をしているうちに、賀茂泉の相談役の方だとわかった。

実は、前述の1年半熟成とか2年半熟成という情報は、この相談役から教わったものだ。

ついでに、西条でおススメの食事処を尋ねると、「よし」というお好み焼き屋を教えてもらった。

この相談役の行きつけということだった。

ということで、おなかも空いたし「よし! よしに行こう!」と決めた。

ちなみに、お土産は1年半熟成の「純米吟醸 朱泉本仕込」を買った。

市販されていない「超プレミアム大吟醸」もたしなむ(約90mlで1,000円なり)

2軒目「お好み焼きをたしなむ」

「お好み焼き よし」は西条駅近くにあるお好み焼き屋だ。

座席は鉄板前のカウンターに6席のみ。

しかも、2席ごとにアクリル板の仕切りがあるので、同時3組というところか。

12時前だったがお客はおらず、「賀茂泉の相談役から紹介されました」と伝えると、マスク越しに女将さんが微笑み返してくれた。

定番の「肉玉そば」を注文して待っていると、1組の親子が来店し、1組のカップルがテイクアウトを注文しに来た。

瞬く間に、目の前の鉄板はクレープ状の生地に盛られたキャベツの山でいっぱいになる。

ひとりで切り盛りしているが、昼時は忙しいみたいだ。

お好み焼きは、素朴で昔ながらの味がする。

普通が一番美味しいのだ。

これに合わせるお酒は、「賀茂泉 純米吟醸 生酒」。

冷蔵ケースには賀茂鶴も見えたが、紹介してらったのでやっぱり賀茂泉でしょ。

これって、さっき飲み比べしたやつかな?

熱くて甘辛いお好み焼きをほうばって、フレッシュテーストの冷酒で舌を冷却する。

これはもう「美味い!」としか言いようがない。

あっという間に、1枚と1瓶が空になった。

満足、満足!

帰り際に、若い女子2人連れが店に入ってきた。

大きなスーツケースを連れてきたので、「観光ですか?」と尋ねると、地元の広島大学の学生さんで実家の愛媛から戻ってきたとのこと。

この若い女子たちも「よし」の常連さんだった。

お好み焼きを肴に西条の酒をたしなむ

3軒目「コメカラをたしなむ」

島谷ひとみさん流に従えば、はしご酒は3軒行かなければならない。

もう1軒は、迷わず「蔵処 樽」へ向かった。

「樽」は1ヵ月前にも訪れているが、その際試飲できてない日本酒がたくさんあったので、ぜひもう一度行きたいと思っていた。

お店に入ると、「いらっしゃいませー!」と女性の店員さんが元気に対応してくれる。

「また来たよ」と言うと、「覚えてますよ!」とマスク越しに明るい笑顔で空いた席へ案内してくれる。

「蔵処 樽」の外観

さて、日本酒の肴に何を注文しようか。

前回は美酒鍋定食で日本酒を嗜んだが、おなかはそんなに空きがないので、「コメカラ」と「漬物」を注文した。

「コメカラ」は、お酒と米粉を使った西条名物の鶏のから揚げである。

飲み物は、もちろん「利き酒 60分コース」。

今回は、「賀茂泉 純米吟醸 山吹色の酒」と「亀齢 辛口純米八拾」を冷やで。

その後、「賀茂泉純米酒」をぬる燗でいただいた。

本来であれば、お燗はセルフサービスだが、店員さんが燗をつけて持ってきてくれた。

昼からこんな美味しいお酒が飲めて、ホント幸せだ。

コメカラも漬物も、絶好のお酒のつまみだね。

まったりとお酒の味を楽しんでいると、残念ながら60分経過。

もう少し飲みたいなと思いつつ、切り上げてお店を後にした。

この「名残惜しさ」が「また来たい」というモチベーションにつながるのだ。

初めてのはしご酒に大満足の一日だった。

コメカラと漬物を肴に西条の酒をたしなむ

締めの一杯

酒都西条は、広島県の中でも駅周辺に7つの酒蔵が集まっており、日本酒好きにとってたまらない観光スポットである。

わざわざ東京から来たという夫婦にもお会いした。

それにしても、今回の「はしご酒」、楽しかったなーーー。

島谷ひとみさんは大のカープファンだし、ぜひ一度ご一緒させていただき、はしご酒の流儀を直々に教えていただきたいものだ。

今宵は、西条の美味しいお酒で「乾杯!」

お土産に買った「西條鶴 純米無濾過生酒」と「賀茂泉 純米吟醸朱泉本仕込」

作成者: めんさん

広島県福山市在住の中小企業診断士。広島県中小企業診断協会正会員。カープを科学する研究会会員。知的資産経営研究会会員。
日本酒学講師(SSI認定)/唎酒師(SSI認定)/国際唎酒師(SSIインターナショナル認定)/焼酎唎酒師(SSI認定)。
日本酒好き、特に広島のお酒。
広島カープ、ユニコーン、名探偵コナンの大ファン。
趣味は飲み歩き。

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