4月9日(土)、賀茂鶴酒造さん(東広島市西条)の蔵開きがあり、酒蔵見学会が行われたので事前にウェブで申し込んで参加した。
私が参加した見学会は10時50分から約40分間で、参加者は約20名。
酒蔵の案内役は、8号蔵杜氏の友安さん。
友安さんは現在ある4つの蔵の総杜氏も務めている。
ちなみに今回見学した8号蔵は吟醸酒専用の酒蔵とのことだ。
また、この日の酒蔵見学会をNHK広島放送局の取材班も同行されていた。
いざ酒蔵見学
8号蔵の前には積み上げられた酒樽がわれわれ見学者を迎えてくれる。
入り口には小さな杉玉と大きな杉玉が目に入る。
昨年酒造りを始めた頃には緑色だったであろう杉玉は、今ではすっかり茶色に変わっている。
ここの杉玉は、賀茂鶴の蔵人さんたちが自ら作っているのだという。
お酒造りだけでなく、ホント皆さん器用だね。
蔵の中に入って最初に案内されたのが、1日に3トンのお米を蒸す甑(こしき)と呼ばれる大きな木の桶。
1日あたり一升瓶換算で約4,000本(40石)分のお米を蒸すというから驚きだ。
この甑は今シーズン入れ替えたばかりの新品で、約10年は持つらしい。
次に麹室。
壁、床、天井が杉の木で造られた部屋に通される。
ここではスリッパ厳禁で、みんな入口でスリッパを脱ぐ。
蒸したお米をここに運び、麹菌を振りかけていき、2日間かけて蒸米に麹菌を増殖させる「製麹」という工程である。
よくテレビで、上半身裸の男性が麹菌を振りかけたり蒸米をかき混ぜたりする光景を目にするが、作業中の室温は30度以上あるそうだ。
そりゃ、暑いわな。
その後、酵母を大量に増殖させる「酒母」をつくる「酒母室」を見学して、大型の醸造タンクが並んだ部屋へ移動。
8号蔵には26個の大型醸造タンクがあるらしい。
このタンクには4日間かけて、お米と水と麹米が徐々に加えられる「三段仕込み」という伝統的な製法で原料が投入される。
1日目は「初添え」、2日目は何もしない「踊り」、3日目は「仲添え」、4日目は「留添え」と呼ばれている。
三段仕込みは、徐々に材料を投入することで、大事に育てた酵母が他の微生物からやられないようにする日本酒独自の製法である。
これもテレビで、タンクに投入された材料を木の棒でかき混ぜるシーンをよく見るあれだな、と思いながら友安さんの話を聞いた。
材料を全て投入されたタンクは、その後数週間かけて発酵を繰り返し、美味しい日本酒を生み出すのである。
その後、友安さんに連れられて元の集合場所に戻って、友安さんから見学会来場のお礼の言葉をいただいた。
以上で酒蔵見学会は無事終了。
友安さんは本当に気さくな方で、来場者との記念写真の撮影にも気軽に応じていたのがとても印象的だった。