「燦燦(さんさん)」は福山市霞町にある串揚げ屋だ。
カープファンの大将とチャーミングな女将さんがいつも笑顔で対応してくれる。
大将がすごいのは、美味しい串揚げを提供してくれるのはもちろんだが、新しい日本酒との出会いを提供してくれることだ。
3月25日のカープ応援会では、「天美(てんび) 純米吟醸 生原酒」と「天美 純米吟醸 うすにごり 生原酒」をいただいた。
最新の蔵で醸された「天美」
「天美」は長州酒造さん(山口県下関市)が醸す日本酒である。
長州酒造さんは前身の児玉酒造さんから2018年に事業承継したのち、建物や設備を一新した国内で最も新しい酒蔵である。
杜氏は藤岡さんという女性杜氏。
2016年の伊勢志摩サミットで乾杯酒として採用されたのは「作(ざく)」という日本酒。
藤岡さんは、その「作」を醸した清水清三郎商店さん(三重県鈴鹿市)で酒造りをされていたが、長州酒造さんの杜氏として転身されたとのこと。
「天美」は最新鋭の設備で造られ、2020年11月に初めて出荷された。
私が「天美」と出会ったのは2021年3月、やはり燦燦で。
最新の蔵で醸された「天美 純米吟醸 生原酒」の2020年12月に瓶詰めされたものをいただいた。
その時は、生まれたての日本酒らしく「スッキリとした味わい」だった記憶がある。
天美 純米吟醸 生原酒
今回いただいたのは、長州酒造さんが醸した2シーズン目の「天美」。
白ラベルの「純米吟醸 生原酒 (白天)」とピンクラベルの「純米吟醸 うすにごり 生原酒 (桃天)」である。
精米歩合はどちらも60%。
アルコール分はどちらも15度。
また、長州酒造さんのウェブサイトによれば、お米は山田錦を使用。
酵母は協会901酵母を使用していると記載がある。
両者は何が違うのかと言うと、白ラベルは完全にろ過しているので、色合いはほぼ無色透明。
一方、ピンクラベルはろ過する際にあえて澱(おり)を残す製法で造られており、やや白濁色の色合い。
飲み比べ
白もピンクも生原酒なので、10℃くらいに冷やしたものをワイングラスでいただく。
まずは、白ラベル。
ほんのりフルーティな香りを感じる。
うん、やはりスッキリして飲みやすい。
次に、ピンクラベル。
色合いはやや白濁だが、私が知っている濁り酒ほどお米のコクは感じない。
白ラベルと同じくスッキリと飲みやすい口当たりである。
ただ、白よりも若干お米の余韻を感じるかなあ。
燦燦でいただく串揚げは、基本的に塩かレモンでいただくので、串カツよりもあっさりしている。
なので、どちらの天美も串揚げにはよく合う。
この日のおまかせメニューは、レンコン、アスパラ、太刀魚、のどぐろ、コロッケなど10種類。
美味しい料理に美味しいお酒、ついつい飲み過ぎてしまう。
3年目の「天美」も今から大いに楽しみにしている。