今年2月4日、三輪酒造さん(広島県神石高原町)が初めて木桶で仕込んだ日本酒を発売した。
「神石高原 生酛・木桶仕込み無濾過生原酒」という純米酒である。
木桶は去年西條鶴さんから譲り受けたものだという。
実は、昨年10月に「オトナの酒学旅行」という神石高原町を対象としたオンラインツアーに参加した際、ツアーの中で三輪社長から木桶を使った酒造りを始めるという話を聞いていた。
その木桶で醸した初めてのお酒が発売された翌日、馴染みの酒屋さんに買いに行った。
木桶仕込みはブーム?
そう言えば、今田酒造さんの木桶を使った酒造りも先月テレビで見た。
賀茂鶴さんも木桶仕込みをやっているとネットで知った。
そもそも杉の木桶を使った酒造りは江戸時代の製法らしい。
今では温度管理が容易な金属製のタンクを用いるのが一般的だ。
じゃ、なぜわざわざ時間と手間がかかる木桶を使うのだろうか?
私は、各蔵元の「お客さまの笑顔のために、絶えず新しい酒造りに挑戦する」という姿勢の表れであると感じる。
機会があれば、ぜひ蔵元の皆さんに直接伺いたいものだ。
神石高原 木桶仕込み
三輪酒造さんは「神雷」ブランドが有名。
「神雷大吟醸」は私が愛飲している日本酒の一つである。
一方、「神石高原」は神石高原町の農家さんが造ったお米のみを使い、お米、仕込み水、蔵人がすべて神石高原町というこだわりの純米酒である。
今年は、さらに自然の酵母と乳酸菌を使った生酛・木桶仕込みという新しい製法で醸したお酒として登場した。
精米歩合は65%。
アルコール度数は16度以上17度未満、原酒なのでやや高め。
生酒なので10度くらいに冷やして飲んでみた。
さてさてお味は?
ウイスキーのように木樽で熟成させたわけではないので、木の香りはしない。
温度も低めなので、ぬる燗の生酛・山廃みたいにふくよかな香りがするわけではない。
でも、口に含むと豊かな旨味とコクのある味わいが広がる。
のどごしもよい。
微かに酸味が鼻に抜けるイメージがある。
うーん、うまい!
私の実力では他の生酛とどう違うのかは説明できない。
でも、三輪酒造さんの新たな挑戦のお酒を味わえたことに感謝!
そして、木桶に宿る酵母と乳酸菌がこれからますます美味しいお酒を醸していくだろうという期待でいっぱいである。