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「酒」の章

酒蔵体験ツアー(春) 杜氏と美酒鍋

6月1日(土)に参加した賀茂鶴酒造さん(東広島市西条)の酒蔵体験ツアー。

午前中は「水」を学んで、午後は田植えの体験を通じて「米」を学んだ。

そして、夜はいよいよ賀茂鶴酒造の杜氏さんから「美酒鍋」と「日本酒」を学ぶ。

田植え体験が終わったあと、各自ホテルにチェックインをして、18時に賀茂鶴酒造さんが経営する「仏蘭西屋(ふらんすや)」に集合した。

この日、われわれに日本酒と美酒鍋を教えてくれるのは、友安(ともやす)総杜氏だ。

総杜氏とは、賀茂鶴酒造さんに在籍する3人の杜氏のリーダーである。

杜氏と一緒に日本酒を飲めるのも、このツアーの魅力のひとつだ。

美酒鍋を楽しめる「仏蘭西屋」

日本酒とのペアリング

まずは、日本酒とのペアリング料理を楽しんだ。

最初に出てきたのは、「大吟醸 特製ゴールド賀茂鶴」。

安倍元首相がオバマ前米大統領を「すきやばし次郎」でもてなした際に、ふるまわれた日本酒として有名である。

この日本酒に合わせるのは、干し柿のミルフィーユ、ブルーチーズのフラン、そして酒粕チーズ豆腐。

次に出てきたのは、「賀茂鶴 生囲い純米」。

「生囲い(なまがこい)」とあるが、これは通常2回おこなう火入れ作業を、瓶詰め前に1回だけおこなったもので、「生貯蔵酒」とも言う。

精米歩合は65%で、爽やかな酸味が特徴のお酒だ。

これに合わせる料理は、甘海老のこうじ漬け、青菜とイカの塩辛和え、そして帆立とキクラゲのわさび和え。

そして最後は、「賀茂鶴 純米大吟醸 広系酒33号」。

このお酒は、広島県が開発した酒米「広系酒33号」を使っている。

精米歩合は50%。

もみじ酵母を使って醸したお酒で、フルーティー香りとやわらかい旨味が特徴だ。

これは、山芋のガレット&生ハム、鴨肉のスモーク、それと純米酒梅酒で漬けた梅酒梅のだし煮と一緒にいただいた。

日本酒とのペアリング料理
ペアリングで楽しんだ日本酒たち

美酒鍋を楽しむ

そして、いよいよ美酒鍋を楽しむ時間がやってきた。

美酒鍋は、西条の郷土料理で、元々は蔵人さんの賄い料理だった。

豚肉、鶏肉、砂肝、野菜などを日本酒と塩、コショウのみで調理するのが特徴。

これは、利き酒する時に影響が出ないように、シンプルな味付けにしたということだ。

「鍋」というよりも「すき焼き」に近いかな。

なお、この料理は、元広島杜氏組合長(現月の井酒造店杜氏)の石川達也杜氏のお父さんが賀茂鶴酒造時代に考案されたとのこと。

この日の美酒鍋の材料

この日はなんと、友安総杜氏が美酒鍋をつくってくれる。

材料は、豚肉、鶏肉、そして白菜、ニンジン、長ネギ、玉ねぎ、生椎茸、春菊、こんにゃく、厚揚げなどの野菜類。

一般的な美酒鍋の作り方はこうだ。

まず、油をひいて、肉をニンニク、塩、コショウを加えて炒める。

次に、肉がかぶるくらいに日本酒を加える。

この日使った日本酒は「賀茂鶴 本醸造上等酒」。

もちろん、料理酒ではなく、このまま飲んでも美味しいお酒だ。

そして、適宜野菜類を加えて、水分が飛ぶくらいに炒める。

最後に、塩、コショウで味を調えて、完成!

お好みに応じて、すき焼きみたいに生卵で食べるのも美味!

美酒鍋と一緒に楽しんだ日本酒は、「純米吟醸生原酒 青冴え」「純米大吟醸 広島錦」「大吟醸 双鶴」。

これらのお酒は、冷酒でいただいた。

そして、美酒鍋の味付けに使った「賀茂鶴 本醸造上等酒」を熱燗でいただく。

美味しい美酒鍋と美味しい日本酒。

至極の時を過ごしました。

完成した美酒鍋

締めの一杯!

賀茂鶴酒造さんが主催する春の酒蔵体験ツアーに参加した。

水を学び、米を学び、そして美酒鍋を楽しんだ。

次回秋のツアーは、今年の10月頃、今回植えた山田錦の稲刈りをするという。

ぜひ次回も参加して、自分が植えた山田錦を収穫したいものだ。

そして、もちろん夜は再び美酒鍋と日本酒を堪能したい!

今宵は、総杜氏自ら作ってくれた美酒鍋と、しこたま飲んだ賀茂鶴さんのお酒たちの余韻にひたって「乾杯!」

美酒鍋と一緒にいただいた日本酒たち

作成者: めんさん

広島県福山市在住の中小企業診断士。広島県中小企業診断協会正会員。カープを科学する研究会会員。知的資産経営研究会会員。
日本酒学講師(SSI認定)/唎酒師(SSI認定)/国際唎酒師(SSIインターナショナル認定)/焼酎唎酒師(SSI認定)。
日本酒好き、特に広島のお酒。
広島カープ、ユニコーン、名探偵コナンの大ファン。
趣味は飲み歩き。

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