6月1日(土)に参加した賀茂鶴酒造さん(東広島市西条)の酒蔵体験ツアー。
午後からは、待ちに待った田植え体験だ。
ツアー参加者6名は、車で高屋町造賀地区へ移動した。
そこには、賀茂鶴酒造さんが契約している田んぼがある。
まず、東広島市酒米栽培推進協議会の指導員の方から、酒米に関する基本的なレクチャーを受けた。
酒米は、食用米に比べて粒が大きく、「心白(しんぱく)」という空洞部分がある。
この空洞部分があることで、麹菌が内部まで繁殖しやすくなり、糖化が進む。
一方、酒米は食用米に比べると稲穂の背が高いので、台風などの影響で倒れやすいというデメリットもあるということだ。
この田んぼでは、酒米の中で一番生産量の多い「山田錦」を栽培している。
まずは田んぼへ線引き
レクチャーが終わると、田靴(たぐつ)を履いていよいよ田んぼへ。
田靴は、普通の長靴とは違って、靴の上部がゴムでしっかり固定されており、水が靴の中に入ってきにくい構造になっている。
田んぼに入るのは小学校以来かな。
でも、とにかく動きにくい。
移動しようと思っても、この田靴が土の中にずっぽり埋まってしまい、動けない。
稲穂の背が高くなる酒米を支えるために、土の深さが深いことも要因のひとつだろう。
とにかく、焦らず、まずどちらかの足のかかとを浮かすことだ教わった。
そうすると、土から足が抜ける。
そして、次に移動したい場所に再びその足を突っ込むという具合だ。
これを繰り返せば、素人でもゆっくりだが移動することができる。
まずやったのは、田んぼへの線引き。
熊手を大きくしたような道具を引っ張って、田んぼに線を引く。
タテと横に線を引いて、格子状に描く。
この格子の目にあたる箇所が、苗を植える場所ということだ
この線を引く作業は、手作業で苗を植えるためには重要な作業である。
苗を植える
線を引き終えると、いよいよ苗を植えていく。
格子の目ごとに、大体2~3本の苗を植えていく。
苗が多すぎてもダメ!
深すぎてもダメ!
倒れない程度に植えないといけない。
慣れてきたとはいえ、まだまだ移動するのは大変だ。
「一歩横に移動する」→「苗束から苗を2~3本とる」→「中腰になる」→「苗を植える」
この繰り返し。
みんな無言でひたすら苗を植える。
約30分くらい作業したところで休憩。
指導員の皆さんが用意してくれた麦茶とトマトが疲れた体を癒してくれた。
危うく全身泥だらけに!
そして後半戦スタート。
ふたたび田んぼに突入して、もくもくと苗を植える。
手持ちの苗がなくなると、指導員の方が苗の束を投げてくれる。
その際、ちゃんと受け取らないと跳ね返った泥で服が泥だらけになる。
そして、事件が発生した。
ある時、指導員の方が投げてくれた苗の束をうまく受け取ったのはいいが、受け取った反動でバランスを崩し、後ろ向きに倒れた。
私はとっさに右手をついて、全身が田んぼにつからないように耐えた。
まるで、荒川静香さんのイナバウアー!
あるいは、弾丸をよけてふんぞり返った「映画マトリックス」のキヌアリーブス!
ま、そんないいものではないが、その時の私の必死さが伝わるだろうか。手をついて耐えていたら、指導員の方が私の左手をひっぱって起き上がらせてくれた。
なんとか、全身泥だらけになるのを免れたというわけだ。
そして、後半戦も30分程度で用意されていた苗を全部植えることができた。
なんやかんやで、とても楽しい田植え体験だった。
締めの一杯!
今回山田錦の苗を植えるという貴重な体験をさせてもらった。
日本酒の原料である酒米。
われわれが植えた一本一本の苗が育ち、秋にはお米ができ、冬には日本酒になる。
農家の皆さんの苦労があるからこそ、美味しいお酒を飲むことができる。
今宵は、酒米農家の皆さんに感謝して「乾杯!」