先の10月30日(日)に、中小企業診断士試験の2次試験がおこなわれた。
今年は何人くらいの受験生がいたのかわからないが、例年そのうちの2割くらいしか合格できない難しい試験である。
1次試験の解答速報を確認して、合格がほぼ間違いないとわかった後、2ヵ月ほどしか準備期間がない。
中には、1次試験の勉強と2次試験の対策を並行しておこなう受験生もいるが、よほど余裕がないとストレート合格は難しい。
しかも、1年に1回しかチャンスはないので、不合格だった場合、もう1年苦しい受験勉強を強いられることになる。
私も2019年、20年と2回受験したが、2度と受けたくないと思うほど、準備も含めて大変な試験であることは相違ない。
そのため、強い精神力が不可欠だ。
2次試験の内容は
例年2次試験は、10月下旬の日曜日、1日かけておこなわれる。
午前中に「中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ」と「同 事例Ⅱ」、午後から「同 事例Ⅲ」と「事例Ⅳ」の計4科目。
試験時間は各々80分。
各設問は、以下のテーマに沿って会社(たまに個人経営店)の事例が出題される。
●事例Ⅰ:組織(人事含む)
●事例Ⅱ:マーケティング・流通
●事例Ⅲ:生産・技術
●事例Ⅳ:財務・会計
事例Ⅰ~事例Ⅲは、事例文を読んで、会社の強み・弱み、市場動向、競合他社の状況を分析し、経営者の将来ビジョンに沿って、課題を抽出し、その解決方法を提言する、といった感じの問題が各々5問ずつ出題される。
1問あたり、大体100字以内(長いのは150字くらい)でまとめないといけないので、要点を短時間で明瞭にまとめる力も試される。
また、短すぎて余白を残すのもダメで、句読点も含めて98~100字ピッタリが理想だと思う。
言うなれば、問題を読んで、解答骨子をまとめて、それを制限字数内の文字に起こす。
これら一連の作業を、制限時間の80分以内でやらなければならない。
この80分という時間が、2次試験を難しくしている最大の要因だと思う。
一方、事例Ⅳ(財務・会計)は計算問題が中心で、記述は全体の2~3割くらいなので、計算が苦手な人には辛いかもしれない。
2次試験の合格基準
2次試験の合格基準は、筆記試験における総得点の60%以上(つまり、240点以上)であって、かつ1科目でも満点の40%未満(つまり40点未満)がなく、口述試験における評点が60%以上であることが基準だ。
ただ、口述試験はよほどのことがない限り落ちることはない。
なので、筆記試験で240点以上(ただし、40点未満の科目がないこと)を取ることが出来れば、事実上の合格ということになるのだが・・・
この240点を取るのが、なかなか難しい。
予備校通いを決意
私は8月上旬の1次試験が終わった翌日、診断協会の回答速報で答え合わせをして、1次試験の合格を確信したので、早速広島市内にある受験予備校に申し込んだ。
なんせ、10月の2次試験まで2ヵ月しかない。
短期間で合格するには独学では無理だと判断し、受験予備校に通うことを決意した。
申し込んだのは、「2次試験直前対策」という6日間のコース。
8月から9月にかけて、毎週土曜日に福山から広島に新幹線で通った。
毎回、午前中に1事例、午後から1事例を試験さながら80分で解答する。
その後、講師から解答のコツみたいな解説がある。
6日間で計12事例、「組織」「マーケティング」「生産」「財務・会計」をそれぞれ3事例づつ解く実践的なコースだが、初学者には少々難しい。
初日にいきなり問題用紙と解答用紙を配られ、「じゃ、始めます」みたいな感じで始まった。
最初に何か解説があるのかと期待してたのだが・・・
いきなりの試験問題に全く歯が立たない。
教室を見渡すと、みんなスラスラとシャーペンが動いている。
どうも、初学者は私だけみたいだ。
後で聞くと、今回の2次試験が2度目の人(いわゆる経験者)とか、1次試験と2次試験を同時に対策するコースの受講者とかがほとんどだった。
道理で勝手がわかっているはずだ(ガッテン!ガッテン!)
でも、初日こそ全く何を書いていいのかわからなかったが、徐々に慣れていった。
しかし、努力はするものの「事例Ⅳ(財務・会計)」以外は点数が伸びなかった。
事例Ⅳは計算問題が主なので、過去問をひたすら解くことで、安定した得点は取れるようになった。
一方、他の事例は、解答を考えているうちに時間切れになってしまう。
そして、不安を抱えながら、2次試験当日を迎えることになる。
締めの一杯
生まれて初めて、資格取得のために予備校に通った。
受講料がかかる上に、福山から広島までの交通費もばかにならない。
でも、同じ志を持った仲間と一緒に学ぶというのは、独学では決して味わうことのない「安心感」「緊張感」「刺激」がある。
今宵は、初めて味わった受験予備校の思い出を肴に「乾杯!」